雑記帳

思ったことを思ったままに

電王戦

電王戦第4戦は引き分けという結果に終わりました。持将棋狙いの戦術に対して、いろんな意見が出ています。

Puella αの開発者である伊藤さんは塚田9段があまり一般的でない戦術を選んだことに対して、ちょっと辛辣な感想を残しています。
伊藤さんには伊藤さんの思いがあるでしょうし、理解できる面もありますが、塚田9段の立場も考慮すると批判だけもできないというのが正直なところです。

5対5の団体戦で、自陣は1勝2敗。

ここで負けてしまえば、プロ棋士の負け越しが確定。日本に10人しかいないA級棋士の一人、三浦8段と東大のコンピュータをかき集め700台のクラスタ構成を組んだGPS将棋の大将戦が消化試合となってしまいます。
この状態で塚田9段としては負けだけは避ける必要があり、その中でとった戦術としては、間違いとは言い切れないでしょう。
個人の感想、美学はあれど、公然と非難していいのは同じ時間を共有した伊藤さんだけだと思います。

個人戦であればまた違った展開があったとおもいます。

さて、第2戦とはちょっと違った意味で変な空気になってしまいましたが、泣いても笑ってもあと一戦ですから、すっきり行って欲しいものです。

棋力0の私に勝ち負けの予測はできませんが、巨大クラスタという力技で勝ちに来てるGPS将棋が勝つと複雑な気分になると思います。
”でかいクラスタ組めば強い”ってのはネトゲで言えば”重課金こそ勝利”ってのとあまり変わらず、悪いわけではないんだけどなんだかなー、って気分になりそうなのです(※1)。

もし巨大クラスタこそ正義の時代が来たら、TSUBAME(※2)に登場して欲しいですね。

※1 実際にはコンピュータをたくさんつなげたからといってそう簡単に性能が上がるわけではありません。頭脳と技術と努力あってこそのものなのですが、金が無いとでかいクラスタは作れないというのもまた事実です。
※2 東工大にあるスパコン。日本3位の速度を持ちます。話題になった京のほうが速いですが、色々特注品の京より市販品を積み重ねたTSUBAMEのほうがこの手の話には向いている気がします。日本2位のHeliosというスパコンは不勉強でわかりませんorz。