雑記帳

思ったことを思ったままに

電王戦を終えて

 楽しかった電王戦も終わりました。第1戦をとってしまえばプロ側の緊張が解けて思い切って指せるようになり、押し切ってしまうか?と思ってましたが、見事に外れ、第1戦以降プロは勝てませんでした。先見性ゼロですね。

 

記者会見では次回開催について明言こそなかったものの、検討中という形で語られました。喜ばしいことですが、次回があるのであればはっきりするべき課題がいくつかあるように思うので、私見を少し。

 

1.プロ棋士へのソフトの貸し出しについて

  貸す人、貸さない人がいたため、かなり議論を呼んでいる話です。貸出し自体にはソフト側のメリットがないので、運営がきっちり決めるべき話と思います。個人的には貸出し不可でもいい気がしてますが、貸し出すべきと判断した場合、5月の世界選手権出場バージョンを公開し、それを電王戦への参加表明とするという形はどうかと思っています。

 同じ時期にやるのであればちょうど一年程度の準備期間がありますし、一年弱点を放置するのであれば、そこを攻められても仕方ないとも思うからです。


2.持ち時間について

 持ち時間4時間はプロ棋士にとって短いという意見がありましたが、見てのとおりタイトル戦以外はほとんど持ち時間は4,5時間です。色々な意味で現実的なラインなのでしょう。タイトルホルダーが参戦するまで、このままでいい気がします。出たときは注目度も高いでしょうから、タイトル戦並に8時間2日制の7番勝負とかもありでしょう。

 

3.マシン構成のレギュレーション

 700台クラスタのGPS将棋がその強さを見せ付けた後、沸き起こってきた議論です。安易に規制をかけるのはプロ棋士側の保身ともとられかねませんし、規制の定義も難しいです。一方で無制限のままだと、プロ棋士がどんなにがんばってもソフト側はサーバを積み増すだけでもっと強くなるという、興行的にかなりつまらない展開が見えますから、慎重に検討するべきです。

 現状規制の指針を定めようにもデータが少ないですし、何戦かやってみて、巨大クラスタに人間は勝てないとはっきりしてきたら、改めて検討をするべきと思います。

 

いずれにしても、プロ側からもソフト開発者側からも自分に有利な提案はしにくいでしょう。たとえ不完全でも運営サイドでもう少し強く舵を取っていく必要があるのだろうなと感じた第二回電王戦でした。

 最後に、参加されたプロ棋士、ソフト開発者そして運営の皆様、楽しい時間をありがとうございました。

 

それでは。